ONE for ALL, ALL for ONE

 今春、タクミ電機工業グループには新たに10名の愉快な仲間たちが加わり、4月1日(月)~4月4日(木)の4日間にわたって雇入時安全衛生教育が北上営業所で行われました。内定者宿泊研修で社会人のマインドセットについて研修した直後であったため、タクミーズは大きな期待を胸に、そして小さな不安をポケットに入れて北上営業所に集合しました。

 1日目は、タクミ電機工業の社長が直々に会社の歴史や経営理念、社是や社訓、キャッチフレーズなどをお話いただきました。また、社会人に求められることや社会人としてあるべき姿、大切にしてほしい考え方や行動など溢れる思いを存分に語っていただきました。社長の思いを受け取ったタクミーズは、これから自分が何をしていかなければならないのか、そして何をすることで会社の力になれるのかなど自分なりに考えて研修ノートに書き出していました。午後も引き続き社長から、作業の安全確保についてDVDも活用しながら様々な事例をもとに個別具体的に説明いただきました。気の引き締まった様子のタクミーズは、仲間や自分の命を守るために真剣な表情で終始説明に聞き入っていました。その翌朝に提出された研修ノートを見てみると、社長が言った「One for All, All for One」というフレーズがいたく気に入ったらしく、全員のノートに書かれていました。それだけ仲間を大切にするタクミーズが、2日目以降の研修で一体どのような行動でOne for All, All for Oneを体現してくれるのか、私はワクワク期待しながらノート点検していました!

 2日目は、2年目の若手タクミーズとベテランの先輩が巧みなコンビネーションでわかりやすく丁寧に実技指導をしてくれました。午前中は会社から支給された電工ポーチの組み立て方の指導をしてもらいました。組み立てが完了した後は、ケーブルを電工ナイフで切って外装を取り除いたり、ペンチで芯線に傷をつけないように被覆を剥く作業を行いました。初めての作業に苦戦するタクミーズでしたが、お互いに教え合ったり、積極的に先輩にアドバイスを求めたりしながら楽しそうに作業を行っていました!午後は、快晴の青空のもと、待ちに待った昇柱訓練です。高いところにビビッてコアラのように電柱にしがみつくタクミーズもいれば、煽てればサルのようにどんどん上っていくタクミーズもいたりと現場はまさにタクミーズサファリパークでした(笑)それと並行して隣のエリアでは、高所作業所(ユニック車)で10メートルの高さまで上がって新種の絶叫アトラクションを楽しんでいるタクミーズもいました!サファリパークで放し飼いにした後は、インパクトドライバーなど工具の使い方について演習を行いました。初めて使うインパクトドライバーに振り回され、さすがのタクミーズにも疲労の色が見えました。そんなタクミーズに極上のエサを食べさせてあげたいということで、北上営業所のクルー全員が現場を早く切り上げ、この日の夜はタクミーズの歓迎会を盛大に行い、心を通わせる楽しいひと時を過ごしました!その翌朝に提出された研修ノートを見てみると、時間を割いて懇切丁寧に指導をしてくれたり、休憩時間を削って現場作業を早めに切り上げて駆けつけてくれたりと自分たちのために献身的にサポートしてくれた上司や先輩方への感謝の気持ちが綴られていました。

 3日目の午前中は、電材ツアーと題して取引先の岡田電気産業株式会社さんとパナソニックさんの協力を得て、照明器具や建設現場で多く使用する部材についてレクチャーしていただきました。初めて見る部材に興味津々のタクミーズは、スイッチやビニールパイプ、ケーブルなど様々な部材を手に取ってみては、食べられるのか、美味しいのか、どこで採れるのか質問しながら見学をしていました(笑)。タクミーズのために研修をご快諾いただき、快適な会場を提供し、懇切丁寧なご説明をいただきました岡田電器産業の及川さんとパナソニックの平林さん、本当にありがとうございました。いろんな取引先企業や協力会社がタクミーズのために骨を折ってくれることに感謝しかありません。お昼は、ボリューム満点のから揚げ弁当をグランドキャビンの中で食べて、午後の健康診断に備えました。食事を終えて病院へ移動していた時、恐れていたことが起こりました。視力検査があるのにも関わらず眼鏡を会社に忘れてきたタクミーズがいたのです。その連絡を上司から受けた私は、すぐさま会社へ戻り、タクミーズの眼鏡を持って病院へ向かいました。タクミーズは上司が運転するグランドキャビンで予定の時刻に到着し、私も時間は過ぎてしまったものの何とか検診を受け付けてもらえ安堵しました。眼鏡を忘れたタクミーズは注射が怖いのか、何かにおびえた様子で真っ青な表情で私のところにやってきて、ちゃんと謝りました。恐らく、病院に移動する車内では上司から心ある指導を受けてかなり反省していたことだと思います(笑)健康診断から帰社したところで、就業規則の説明をする予定でしたが、上司のタクミーズに対する熱血指導「タクミーズ劇場(激情)」が始まりました!実は、お昼ごはんの弁当のごみを分別もせずにただビニール袋に詰め込んだタクミーズ。それを健康診断が最初に終わり、車に戻ってきたタクミーズが一人で分別。それに気づかないタクミーズ。会社に到着すると、一人のタクミーズが自主的に3袋もあるゴミ袋を一人で抱えて降車。それを手伝おうとしないタクミーズ。その全員分のプラスチック容器をキッチンで水洗いするタクミーズと研修室で休憩するタクミーズ。一喝されて全員でキッチンに行き、ただ見ているだけのタクミーズ。一人でごみを両手いっぱいに抱えても仲間に助けを求められないタクミーズ。体調が悪いからと言って見て見ぬふりするだけで自分以外の人にヘルプするよう声をかけられないタクミーズ・・・One for All, All for Oneとは程遠い言動に私の上司の指導もどんどん熱を帯び、涙を流しながら指導を受けるタクミーズも散見されました(泣)。劇場が閉幕すると、切り替えの早い上司は、人が変わったように冷静沈着として就業規則の説明に入り、「パワハラはダメだよ!」と力説していました。実は3日目は、健康診断メガネ事件やから揚げ弁当事件以外でもたくさん指導をいただいていたため、タクミーズはかなり落ち込んでいる様子でした。しかし、この日一番叱られたタクミーズは、体調が悪いにも関わらず自ら私の助手席に座り、咳き込みながら私のそばでサポートしてくれました。風邪を引いてしまい元気がなくてもやっぱ元輝だなと上司は大絶賛して高く評価していました。翌日に提出された研修ノートを見ると、本気で指導していただいたことに心から感謝をして、明日から自分たちの行動を変えていくという力強い決意が綴られていました。

 4日目は、いきなり修了認定試験からのスタート。勉強した成果を発揮して次々と問題を解き進めるタクミーズもいれば、勉強はしたつもりだけど一問一問頭を抱え後悔しながら、鉛筆を転がして問題を解き進めるタクミーズもいました(笑)。それでも何とか全員が70点以上を獲得し、見事修了認定を受けることができました!試験の後は社用車のタイヤ交換を先輩社員と協力しながら行っていました。3日目に指導していただいたことを実践しようと、自分たちから進んで指示を受けて作業を行ったり、自分たちには何ができるか考えて行動したり、リーダーシップを発揮してタクミーズに指示を出したりと主体的に行動している姿が随所で見られました。午後は4日間使用した研修室を応接室へと復旧させる作業を私の監督のもと行いました。私の施工管理デビューです(笑)。復旧作業を行っていると研修室の隅の方から灯油のにおいがしてきて、恐る恐る確認してみると壁面にあった灯油の栓にホワイトボードの足が接触し開いており、そこから灯油が流出していました(汗)。すぐさま栓を閉めて、換気と床掃除、そして栓が開かないように養生テープで固定をしました。周りにどのような障害物があるのか確認しなかった一人の不注意で起こった惨事ですが、タクミーズがみんなで対応を協議して分担・協力して何も事件は起きなかったかのように自分たちで適切に対応していました。もちろん私の管理不行き届きということで、上司には灯油くさくない別室で指導をいただきました。

 4日間の安全衛生教育を通して、「主体性」や「自主性」、「仲間」、そして「One for All, All for One」という言葉を夢でうなされるくらい耳にしました。これから現場に出て仕事をしていく上で、受け身ではなく、主体的に行動をすることで学ぶ機会も増えていきます。また、自分の働きで先輩や上司の手を空けて、その空いた時間で先輩や上司がレベルの高い仕事ができるようになるので、結果として組織のパフォーマンスが最大化されます。安全衛生教育後のレポートでも見られましたが、一秒単位でお金が発生していること、一人一人がチームの一員であるという自覚を持って仲間やチームのことを最優先に考えて、先輩や上司に「楽」させる、そしてそれが結果的に自分の「楽」につながるということを心に刻み、始まったばかりの社会人生活を主体的に「楽」しんでほしい。そして、10月に行われる半人前研修では、今よりも「One for All, All for One」を高次元で実践するタクミーズへと進化していることを願い、研修を閉じました。

 二人で10人分仕事をこなす我ら人事・経営管理本部はお互いのために、そして我々は全社員のためにという意味で「One for Two, Two for All」の精神でこれからも「人の事」に一生懸命がんばります!