新作ホラー『567』

 先週の月曜日、友人とショッピングをして、一緒に夕食を食べに行きました。その日は何事もなく解散をしたのですが、翌日の夜10時ごろにその友達から「気を付けろ、”ヤツ”は確実に俺らの近くにいた。次はお前の番かもしれない。」と、謎LINEが来ました(笑)何を言っているのかさっぱりわからなかった私は「???」と返信すると、友達から「実は、一緒に夕食を食べているときに身の毛がよだつ様な邪悪な気を感じたんだ。」と悍ましいラインが返ってきました。その翌日、友達は高熱に苦しめられていました。さらに翌日には、私のすぐそばに忍び寄ってきていた”ヤツ”が遂に私の体内に侵入してきました!すぐさま上司に”ヤツ”がきたことを伝えると、「仕事のことは一切考えなくていいから、自分の身の安全を最優先に考えなさい。専門家の先生を紹介するから、適切に対応してもらいなさい。」と、上司は助言してくださいました。私は”ヤツ”にビビりながら、上司に紹介された専門家のところに行くと、そこには青ざめた表情で私と同じ症状で悩んでいる人たちが溢れかえっていました。1時間ほど順番待ちをしている間、扉の向こう(聖域)から人々の苦しそうなうめき声が漏れ聞こえてきて、私もますます具合いが悪くなっていきました。そして、ついに私の番が回ってきました。聖域の扉が開くと、そこには白衣を身に纏った専門家と天使のような助手がいました。そして、その白衣の天使は私の鼻に細長い綿棒のようなものを差し込まれ、奥でかき回されました。数秒だったのでしょうが、私にとっては数十分にも感じられる時間でした。私は苦痛のあまりうめき声を上げながらその処置に耐え終わると、専門家から「コロナウイルス陽性です。」と言われました(笑)

 流行の最先端を行く私らしく、コロナウイルスに感染して1週間ほどダウンしていました(笑)特効薬ではなく、各々の症状を抑える薬を処方され服用していましたが、なかなか症状が改善せず最初の2日ほどはかなりしんどかったです。3日目以降、私の体調はだいぶよくなってきたのですが、今度は上司がダウンしてしまいました。もちろん感染源は、99.9%以上の高確率で私だと推測されますので、とても申し訳ない気持ちになりました。復帰後に上司に叱られると考えると、また具合いが悪くなってきました・・・(汗)

 ちなみに私は、”ヤツ”に感染したのは今回で3回目です。ひょっとすると、私が本物の”ヤツ”なのかもしれません(笑)

 みなさんには聞こえませんか、”ヤツ”の忍び寄る足音が・・・。