25タクミーズ伝説-序章-

 我々、人事経営管理本部の毎日の楽しみは、仕事終わりで疲れ切った体に冷蔵庫でキンキンに冷やしたビールをぶっ決めることである。この瞬間の至福を得るために仕事を頑張っていると言っても過言ではない。

 そんな体の7割がビールでできている我々に、社長から最重要ミッション「新入社員(25タクミーズ)の横のつながりを強化せよ!」が与えられた。このミッションをクリアすべく、毎晩ビールを片手に打合せを重ね、過去最高傑作とも言えるものが遂に完成した。そして、3月末に『タクミーズ宿泊研修』(宿研)という名のタクミオリジナルのプロジェクトを実施した。

 プロジェクト当日の朝、タクミーズは会話をすることもなくただただ静まり返っていた。しかし、綿密に計画された研修プログラムが進むごとにタクミーズのつながりは確実に強くなっていった。初日の研修を終えて、宿に移動し、夕食までは自由時間とした。我々は、キンキンにビールをぶっ決めてから温泉へと向かうと、タクミーズ全員で温泉を満喫していた。例年であれば、部屋ごとで温泉に入ったり、バラバラで入ったりしていたのだが、今年は違った。さらに、先に温泉を出たタクミーズを追いかける形で夕食会場に入ると、お揃いの青い浴衣を羽織ったタクミーズの姿があった。例年よりも一体感があり、深い関係を築いたタクミーズを見て、我々は「ゆかった、ゆかった」と心の中で安堵していた。

 こうして25タクミーズの伝説に新たな1ページが刻まれるのであった…。